神奈川県建設労働組合連合会

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第5回担い手シンポ「建設キャリアアップシステムを力に、担い手確保や労働協約を実現へ」

2021年9月2日

 昨年12月の開催を延期した第5回担い手確保・処遇改善シンポジウムを7月25日に参加者72人で開催しました。

パネラーの発言を真剣に聞く参加者

 建設政策研究所理事長の浅見和彦さん(専修大教授)より、第1回からこれまでの運動や取り組みの総括的な講演を受け、シンポジウムに入りました。

 全建総連賃金対策部の長谷部部長より、全建総連の賃金調査や全国各地での企業交渉、公契約運動などを報告し、講演を受け、労働協約を展望した運動についても報告されました。

続いて神奈川土建本部の井上書記次長より、労働協約を広げる運動でもある労働者供給事業の取り組みについて、全建総連など各組合が中央ゼネコンや地場ゼネコンと労働者供給事業に関わる労働協約を締結することで、一人親方の安定就労の一端にしていきたいと報告がありました。

 建交労神奈川県本部の高橋さんは、ダンプ就労運動について、交通安全推進団体として元請業者に要請し、道路工事などに必要な車持ちダンプ運転手の就労を年間延べ約2000台確保していることが報告されました。法律を根拠に運動で対象を広げさせて就労を確保してきたことが報告されました。

 国土交通労組の後藤さんは、国の施策課題を中心に官民で連携して推進している建設キャリアアップシステム(CCUS)について、導入の効果として、賃金上昇などの報告もあり、建設労働者の賃金をはじめ、環境整備含めた制度改善が進み、担い手確保や労働協約にもつながっていくと報告がありました。

 パネラーの報告後、浅見先生から各報告者に追加質問などがあり、会場からの質問と合わせ再報告のあと、浅見先生が建交労と全建総連の運動について「労働協約に向けたヒントがあると思う、引き続き、各分野での運動を前進させて、担い手確保のためにも労働協約運動を進めてほしい」とまとめて終了しました。

労働者供給事業の推進が重要な取り組みに

 労働協約の実現に向けた取り組みとして、組合の労働者供給事業で一企業と労働協約を進めていくことが重要となっていくと考えています。

特に国土交通省が「建設業の一人親方問題に関する検討会」で雇用契約と請負契約を明確にしていく方向性が検討されているなかでは、従前の請負契約が難しくなり、有期雇用の一人親方が増えることが予測されます。

 労働者供給事業によって、一人親方の就労確保や労働条件に関する交渉を組合が行なうことで一人親方など現場従事者の権利を守っていくことが求められています。

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