神奈川県建設労働組合連合会

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「国は負ける判決待たず解決に動け」首都圏建設アスベスト神奈川訴訟、2陣高裁結審へ、11月11日福岡高裁判決

2019年9月24日

 9月12日、アスベスト訴訟神奈川2陣の控訴審第3回口頭弁論が東京高裁で開かれました。原告側の柴田さん(配管工・神奈川土建)、中山さん(タイル工・川崎建築)、望月さん(ハウスクリーニング・神奈川土建)と柴田さん(岩手県立大学講師)の証人尋問が行なわれました。審理後に裁判長から結審について意向が示されました。

父親の粉じん曝露、闘病生活・被害実態を証言

 柴田隆介さんは、亡くなった父親で原告の義則さんと鉄骨・鉄筋造の消火設備工事などに従事し、石綿セメント円筒(トミジ管)の切断作業などでアスベストに曝露した状況を証言し「アスベスト被害がなければ孫の面倒を見るなど穏やかな生活を送っていたのでは。アスベストの被害なくしてほしい」と訴えました。被告側からの反対尋問にも適確に回答をしました。

 原告団の中心となり裁判をたたかっている中山さんと望月さんは、自身の闘病を証言し、厳しいアスベスト被害を告発しました。

 中山さんは肺炎により高熱で生死をさまよったこともあり「家族から裁判に出ると体調を悪くし入院することになるから行かないでくれと言われる。国はわたしたちが裁判をせずに救済されるよう手立てを」と証言しました。望月さんは言葉をつまらせながら「同じ抗がん剤は使い続けられない。治療手段がなくなり、がんの苦しみと死を待つことに」「いつまで生きられるのか正直不安でたまりません。命が続く限り、被害の実態を知らせていきたい」と静かに訴えました。

一人親方も救済対象に

 手間請け、一人親方の働き方の研究に長年たずさわってきた岩手県立大学の柴田講師は、低賃金で苦しみ、安全衛生を自分自身でできずに元請け任せにならざるを得ない状況や「建材を選ぶことはできず、工期も元請けが決め裁量はない」など働き方を解説し、雇用労働者との違いはなく、一人親方の被害についても国に責任があることを強調しました。

9月17日、全国の原告団・弁護団が最高裁に要請・宣伝行動を実施

東京2陣地裁が結審、 焦点の福岡高裁の判決

 証人尋問終了後に、裁判長から今後の進行について意向が示され、原告、被告双方へ証拠の提出を早めるよう指示があり「12月6日の期日で終結したい。遅くても1月30日の期日には必ずと考えている」と結審について言及しました。

 9月27日には東京2陣が結審します。この秋の最大の焦点の九州1陣の福岡高裁判決が11月11日に出されます。

 東京高裁、大阪高裁判決を維持し、一人親方の救済と企業責任を認めさせ、最高裁勝利判決、全面解決へ大きく前進させるため、東京第2陣・神奈川2陣の公正判決を求める署名、地方議会や国会議員要請を強め、3陣訴訟の準備が統一本部から呼びかけられました。

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