神奈川県建設労働組合連合会

トピックス

「建設組合と元請企業のパートナーシップ協約」第4回担い手確保・処遇改善シンポジウムを開催しました

2020年1月8日

記念講演で期待語る土志田会長

 2020年12月8日、建設プラザかながわ2階ホールで4回目となる「担い手確保・処遇改善シンポジウム」を開催しました。

組合員の他、地方議員など約150人が参加しました。記念講演を全国中小建設業協会会長の土志田さんが行ない、浅見和彦さん(専修大学教授)の基調講演の後、4人のパネリストが報告し、これまで取り組んできた労働協約締結運動の成果を具体的に確認することができました。

誇れる建設業に

 記念講演で土志田さんは、国交省の資料を示しながら「7年連続で設計労務単価が上がっているが現場には届いていない」と処遇改善に向け、業界団体と組合の連携を話ました。公共工事の問題点にもふれ「施工時期の平準化」を求め、年度末に工事が集中しないよう発注者に求めていくと全中建の方針を紹介しました。

適切な賃金水準や若手入職者の確保など「今やらないと誇れる建設業界にならない。手を取り合って取り組んでいきたい」と結びました。建設キャリアアップシステムや労働者供給事業への期待も語られ、地元企業との協働の大きな可能性を感じさせる話でした。

地場ゼネコンとの協約は画期的な成果

 基調講演で浅見さんは、「5つの領域」で対話と交渉をすすめ、

  1. 労働組合と専門工事業団体とが技能評価にもとづく職種別の賃金協約を締結する
  2. 労働組合と元請企業・団体とはパートナーシップ協約を締結する
  3. 個別の企業でも、企業内協約をきちんと締結する
  4. 大きな工事現場では、現場委員会をつくり、現場で協議(労基・法令遵守 安全衛生等)
  5. 労働者供給事業を発展させ、地域建設業の安定と拡大に貢献、

と各領域での運動の方向をしめし、神建連と地場ゼネコンが締結した「パートナーシップ協約」を画期的な成果と評しました。職種別の賃金の確立や重層下請の改善、建設キャリアアップシステムと労働協約の車の両輪の関係であるとしました。

専門工事企業との「技能評価協約」締結めざす

 今後、パートナーシップ協約や職種別討論、労働者供給事業の成果を踏まえて、建設キャリアアップシステムも活用した専門工事企業との「技能評価協約」の締結をめざす取り組みが必要になっています。型枠大工などの職種で先行して専門工事業者・団体との合同勉強会などを計画します。

 災害多発や適正工期の設定(週休2日)などの情勢を踏まえて、地域建設業と共同して処遇改善運動を前進させることが重要です。シンポジウムの成果を踏まえ、労働者供給事業を武器にして、県内企業との共同や建設業協会との新しい関係づくりについて具体策の検討をすすめます。

パートナーシップ協約締結企業

  • 小俣組
  • 馬淵建設
  • 三木組
  • 紅梅組
  • 住宅情報館

活発な討論「建設組合の役割明らかに」

 シンポジウムでは国土交通労組の澤田さんは、国の無政策による建設産業の疲弊や、25年間で地方自治体の総職員数が約55万人減らされ、約30万人になっている実態を報告。3割の自治体で技術職員がいない。風被害があっても自治体職員が来ない(行けない)実害にふれ「建設産業で働く官民共同のたたかいが必要」と強調しました。

パネラーが各分野のテーマで報告

 神奈川土建本部の井上書記から労働者供給事業の取り組み報告と供給登録組合員数の引き上げについて、荒井県連賃金対策部長から職種別討論の取り組みと展望の発言。全建総連長谷部賃対部長は地域建設業の「高」循環型経済をめざした運動について報告し「神奈川県内最大の建設産別労働組合、クラフトユニオン(職別組合)である、神建連の運動が地域建設産業の未来を担っている」と結びました。

 会場からも多くの発言、パネラーへの質問が出され、活発なディスカッションが行なわれました。「さまざまな分野から自身の経験や率直な思いを聞けて非常に良かった。労働組合が持つ役割を発揮できる状況をつくりだしていこうと思った」他、多数の感想が寄せられました。

PAGE TOP