神奈川県建設労働組合連合会

トピックス

「禁煙は遅すぎることはない」藤田ゆかり保健師のけんこうコーナー

2023年5月8日

 タバコの有害物質による健康への影響は知られてきていますが、タバコの本当の怖さは煙にまかれてしまっていませんか?今回はタバコの脳への影響に関するお話です。

タバコが依存を生むしくみは?

 人が安らぎや幸せを感じる時は、α波という脳波やドパミンという快感ややる気を出す物質が脳から出ています。タバコを繰り返し吸うと、脳がこれらを自力で出せなくなり、慢性的な不足状態となります。

 タバコを吸うとニコチンの作用でドパミンが強制的に出されて幸福感やすっきりした気分を感じさせるので、タバコを吸うことに特別な魅力を覚えさせます。もちろんニコチンが切れると、イライラや眠気、頭痛、だるさなどの禁断症状が再び襲います。安らぎや幸福感を盗んだタバコが、一服することで救っているように思わせてしまうことから依存がうまれます。

タバコが奪うドパミンとは?

 ドパミンは何かを達成した時や美味しい食事をした時、新しい発見、変化などの刺激によって脳から放出されます。やる気や幸福感、感情、意欲、思考など様々な心の機能に大きく関わっています。

 しかし、タバコを習慣的に吸っていると、ニコチンの作用以外の刺激ではドパミンが放出しにくい状態になってしまいます。タバコがやめられないのは意志や決意が弱いわけではなく、このタバコの脳への影響が関わっています。

 もちろんタバコの身体への影響は脳だけでなく全身に及びます。禁煙に遅すぎることはありません。タバコをやめたその瞬間から健康が回復し始め、タバコに振りまわされない人生にパワーアップします。

 禁煙に不安がある方や禁煙に失敗した経験のある方は、迷わず禁煙外来を受診しましょう。

PAGE TOP